『バイアウト 上下』 (ハゲタカ2)

先日読んだ外資系投資ファンド企業小説『ハゲタカ』の続編です。


同僚、そして弟分としてかわいがってきたアランの身に
何が起こったかさえ知らずに、
一年間の海外放浪生活の末、
日本に舞い戻った投資家・鷲津。

何かに駆り立てられるように、
企業買収を繰り返していた。最初の大型標的は、
前作でライバルだった芝野が、
会社立て直しのために招聘された老舗繊維業の「鈴紡」。

そして次に鷲津の前に立ちはだかったのは、
アメリカの巨大軍産ファンドと大統領とつながりのある大物。
軍需転用可能な技術を有する日本の巨大電機メーカー「曙電機」を巡り、
鷲津が創設したファンド「サムライ・キャピタル」は、
どう立ち向かっていくのか。




いろいろと取りこぼしている点はあるけど、
やっぱり今回も上下巻750ページ以上を一気に読ませる力強さがあった。

MBO、クラウンジュエル、グリーンメール、ポイズンビル、
ゴールデンパラシュート、敵対的買収、ベアハッグ、ホワイトナイト・・・。
さまざまなファイナンスやM&A用語が出てくるのが、
またおもしろい。

鈴紡は、先月末に解散しちゃったカネボウがモデルよね。
実際にあったカネボウの巨額粉飾決算とか、
産業再生機構のような組織が小説に出てくるし、
曙電機は東芝や三菱で、
曙を飲み込もうとしたシャインがキヤノンって感じかな。
いろいろと現実に即しながら、物語が進んでいくのが、
とても興味深かった。


どうなんだろ。
かつては日本の優良企業であっても、
今は死に体の企業は解体した方がいいのか、
それともトップや社内のやる気されあれば、再生した方がいいのか。
カネボウだけじゃなくって、旧日本長期信用銀行や
ダイエー、トーハト、それこそ外資系ファンドに買収をかけられて
株主総会が話題になったブルドッグソースとか、
創業家経営に戻っちゃったシャルレ(テン・アローズ)のこととかも
いろいろ考えちゃったな。


前作で中心のひとつだったミカドホテルや、
アランのことが未解決だから、また続編がその内出版されるのかな。

いや~やっぱり読み応えのある企業小説はおもしろい!

真山仁/講談社(ハードカバー・文庫版)
 
  



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この記事へのコメント

rosy
2007年07月03日 02:28
SOHOちゃんのブログ読んでたら本当に読んでみたい本が沢山です
どれからいけばいいかな(笑)

750ページ一気とは凄く面白かったんだね?
企業小説は読んだ事ないので新しくチャレンジしてみようかな
2007年07月03日 10:43
rosyさん
ノンフィクションだとわかりにくいから、
すぐに寝ちゃうんだけど、
小説の形になってると読みやすいから
企業小説は結構好きなんだ。

以前読んだ本を忘れちゃうことがままあるから、
特に本のブログ記事は
自分自身の備忘録のためっていうのがあるから、ちょっと偏った記事内容になってるかも。でもあんまり好みじゃなかった本は
文章の節々にあらわれてるかもね(苦笑)

rosyちゃんの琴線にふれた本を
よかったら、手にとってみてくださいね~♪