涙・涙の『きいろいゾウ』

先日読んだ『夜の公園』はちょっと悲しくなってしまう話でしたが、
今回読み終わった『きいろいゾウ』はあたたかい涙が流れてしまう、
とってもいいストーリーでした。


そんなに売れてない小説家の夫・無辜歩(ムコさん)と、
生き物たちの声が聞こえる、少し不思議な妻・妻利愛子(ツマ)夫婦。
虫やカエルの鳴き声でうるさいほどの、
九州の田舎に越してきた二人。

ご近所のアレチ(荒地)さん、奥さんのセイカさん、
都会で登校拒否になってしまった大地くん、
いっこうになつこうとしないノラ犬のカンユさんらとともに、
静かで穏やかな日を過ごしていた。

ある日、ムコさんの元に一通の手紙が届いたことから、
夫婦2人の間にすき間が開き始め、
そしてムコさんはツマを置いて東京へ行ってしまった。

ムコさんの背中にある飛ばない鳥のタトゥーの理由は?
ムコさんの留守中、
雷雨の中にツマが見た女性の幻影は誰?




この人の小説を読むのは初めてだったかな。
なんかね、やわらかくって、やさしくって、
ほんわりとさせてくれる、そんな話だった。

ちょっとした一文が胸に染み渡って、
とってもあたたかい気持ちにさせてくれるの。


ちょこっと流用。

・・・裸足で歩くことにする。~たまに大きめの砂利が食い込んで
痛い思いをするけど、
今は暖められた地面が心地いい。
しかしすごいなぁ蛇は。
こんな感触がお腹にずうっとあるんだもんね。
俺って、地面に近いよなぁ、近すぎるよなぁ、って思ってんのかな。・・・




この2人を包み込むまわりの自然、
ご近所の人たちとの静かでやさしいふれあい、
ツマとムコさんの感情の揺れ動き、
そしてこの2人のふうわりとした不思議な雰囲気、
そして、お互いが相手のことを強く想っているのに・・・。
いろんなものが心に伝わってきたな。

どうしたらこんなにも、
人をやさしい気持ちにさせてくれる、
こんな文が書けるようになるんだろう。。。

いつの間にか、
結構大量のあたたかい涙を流しながら読んでました。

西加奈子/小学館


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この記事へのコメント

rosy
2007年06月22日 00:42
まずカバーに惹かれるね
黄色って結構珍しい、かな

砂利と蛇の文章面白いね
作家さんってお仕事とはいえ、凄く色んなところを見て色んな疑問を文章にしていますよね
そういえばそうだ、と納得です
ついつい裸足で砂利を歩いてみたくなりそうな表現ですねー
2007年06月22日 01:59
rosyさん
このカバーのゾウも、小説のキーポイント。

作家さんの表現力、想像力。
とてもうらやましくなってしまいます。
裸足で外歩きって、
長いことやってないかもって気づいたかな。